「理科の勉強法」というよりは「各分野ごと」に分けて考えましょう
今回は理科の勉強法についてです。
理科は他の教科と違ってすこしわかりづらい教科です。
もくじ
理科とは
ざっくり言うと「生物」「科学」「物理」「地学」が合体したものが「理科」です。
広辞苑第四版から理科を抜粋すると、「学校教育で、自然界の事物および現象を学ぶ教科。/ 自然科学の学問。理学部・工学部・医学部・農学部などの総称。」となります。
要は理系科目のごった煮です。
理系科目のごった煮が「理科」なら、文系科目もごった煮にして「文科」でいいじゃない!
5教科が2教科になっちゃいますね 笑
大事なのは、理科は学問のごった煮なので全てを同じように勉強するのではなく、「生物」「科学」「物理」「地学」それぞれ違うアプローチで勉強した方がいいということなんです。
理科の勉強法(各分野別)
各分野ごとの勉強法をざっくり解説します。
授業では単元が変わるごとに「違う教科にかわったんだ」と頭を切り替えてのぞんでください。
家庭学習でも同様です。
全分野に共通すること 全体的に暗記が多いですが・・・
図表を見たり、イメージしたり、因果関係を理解したり・・・覚えることが多すぎて、それぞれに覚えるコツはありますが、
覚えることに時間をかけすぎない
これが一番重要です。
記憶の定着にはインプットよりアウトプットが重要。
つまり、
基本的には問題演習の方が重要です!
ただ、わからないまま問題演習に入っても効率があがらないので、
理解する(おそらく学校の授業である程度は理解している) → 問題演習 → わからないところ、間違ったところを軽く復習 → 問題演習 → ミスりがりな部分・苦手な部分だけ集中して理解・暗記 → 問題演習 → 問題演習 → 忘れた頃に問題演習 → あやふやになった部分をちょっと復習(教科書みなおし、先生に聞く) → 問題演習 → 問題演習 →問題演習
くらいの感覚が一番です。
理解に時間をかけすぎると、理科だけで日々の勉強が終わってしまいます。
生物
中学校では中1から中3まで「植物」「動物」「生物と細胞」「生き物の増え方(遺伝など)」「自然と環境(微生物など)」などについて学習します。
4分野のうち最も暗記が多く、最も計算が少ない(必ずしもゼロではない)のが特徴です。
生物分野は「膨大な用語をいかに覚えるか」がキーとなります。
ただ単に用語を丸暗記をしようとすると早々に詰んでしまいます。
大事なのは、「仕組みを理解する」「図表、写真、絵など視覚を絡める」「現象のつながりを意識する」「漢字の意味を考えてみる」など、様々な情報を関連づけて理解して覚えるということです。
複雑に関連づけて覚えられた知識は簡単には忘れません。
また近年では実験考察問題も増えてきました。
その点でも理解することは非常に重要です。
本番(受験)で解けなければ意味はないですからね!
科学
中学校では中1から中3まで「物質(気体・液体・個体・溶解度など)」「科学変化と原子・分子(化学式・化合など)」「化学変化とエネルギー(熱・イオンなど)」について学習します。
暗記と計算はだいたい半々くらいです。
比較的計算が多いイメージですが、基本的には暗記です。
生物と同じように、ただの丸暗記では一瞬で詰みます!
化学分野では「なぜその現象・反応が起こるのかを理解」できるかがキーとなります。
特に原子や分子などは目に見えない(見えにくい)部分なので、しっかりとイメージして記憶に定着させます。
また実験などに関しても多く出題されますので、「実験ではどんな現象がおこっているか」「なぜその手順で実験を行うのか」についてはしっかりとおさえておきましょう。
物理
中学校では中1から中3まで「光や音、力」「電流」「運動とエネルギー」について学習します。
4分野のうちで最も計算が多いのが特徴です。
その為数学が苦手な子は計算という時点で物理=嫌いとなってしまいがちですが、それはもったいないです。
中学物理レベルであれば、ほとんどは小学生レベルで解ける計算ばかりなので、あきらめずにがんばりましょう(内申に響きますからね!)。
ただ計算が多いとはいっても何が起こっているか(原理)を理解する必要はあり、また、公式を覚える必要もあります。
公式はそれだけを暗記するよりも、簡単な問題(教科書の例題レベル)をひたすら繰り返すことで身に付けたほうがいいでしょう。
地学
中学校では中1から中3まで「大地のつくり(火山や地震)」「天気」「地球と宇宙・自然と人間」について学習します。
地学分野は暗記も多いですが、計算もあります。
暗記すべきことが多いのでそこに気を取られがちですが、それだけだと応用問題に答えられなくなってしまうため、「なぜそうなるのかを理解」する必要があります。
例えば、太陽は東から昇ると丸暗記するだけでなく、なぜ東から昇るのかを理解するということです。(地球の自転は反時計回り、西から東に回っているから)
計算については物理と同様に、簡単な問題(教科書の例題レベル)をひらすら繰り返すことで身に付けることができます。
地学分野の学習期間はどの学年も学年末あたりです。
授業の進度によっては他の分野よりも駆け足で進むことが多く、理解が浅いまま終わってしまうこともあるため注意が必要です。
理科の勉強法(代表的な苦手な部分の克服)
苦手① とにかく計算が苦手
計算の苦手具合にもよりますが、中学理科は算数ができれば問題なく解けるレベルです。
四則演算、分数小数、四捨五入、比の計算あたりに不安がある場合は算数をやり直すのが近道となります。
算数をならった当時は苦手だとしても、中学高校になった今向き合ってみると、意外とすんなり理解できたりするものです。
当時の苦手意識を引きずってやらないままいると、いつまでも苦手なままになってしまいます。
計算=苦手と遠ざけるのではなく、是非挑んでみて欲しいです!
苦手② 算数レベルの計算力はあるのに、やっぱり計算が苦手
また、算数が問題なく解けるのに計算が苦手という場合は、公式を使いこなせていない場合がほとんどです。
公式を丸暗記してはいるものの、意味(なぜそうなるか)を理解できておらず苦戦するパターンですね。
問題文や表・グラフから必要な数字を抜き出し公式に当てはめるだけなのですが、その段階で詰まってしまうことが多いと思います(問題によっては計算に使わないダミーの数字がちりばめられています)。
「公式だけ」の丸暗記ではなく、公式が「なぜそうなるのか」やそれぞれの値が「どういう意味を持つか」を理解し、簡単な問題と共に覚えるといいです。
そして繰り返し問題を解くことによって習熟していきましょう。
苦手③ 用語が多すぎて覚えられない
そのものだけを覚えようとしている場合があります。
周辺知識や、流れ、漢字の意味、こじつけのごろ合わせでも、とにかく何かに関連づけて覚えたほうが定着しやすいです。
例えば生物分野では、
被子植物は胚珠が子房をかぶっており、裸子植物は胚珠がむき出し。子房は成長すると果実となり、胚珠は成長すると種子となる。この種子で増える植物を種子植物といい・・・
はい、用語ばっかりですね 笑
丸暗記では到底太刀打ちできず、この部分が苦手になる子も少なくないです。
絵や図表は教科書を参照してもらうとして、ここでは漢字の意味から記憶を強固にしていきましょう(漢字って便利、意味がありますからね!)。
胚珠:大事な子供のイメージ(胚は部首が「にくづき」。つまり体に関係のある言葉で「みごもる」という意味。珠は「たま」。真珠。つまり大事なもの)
子房:子供(胚珠)のいる部屋のイメージ(房とは部屋という意味。厨房は厨=料理する・房=部屋っていうこと)
大事な子供(胚珠)はちゃんと部屋(子房)に入れとかないとね!
それが成長して果実と種子(いわゆるくだものとタネ)になるのはわかりやすいわね。
被子植物:「子」房を「被」っているから「被子」植物。(胚珠+子房)
裸子植物:「子」供(胚珠)が「裸」だから「裸子」植物(胚珠のみ)
種子植物:胚珠が成長して種子になる植物。つまり被子植物+裸子植物
一例ですが、こんな感じで絵・図・表・グラフ・関連性・漢字の意味など、とにかく関連づけて記憶します!
こんにちは! サラリーマン主夫のしょーちゃんです!