中学社会の勉強法

よく暗記科目だと言われますが、本当に暗記だけでしょうか?

しょーちゃん

こんにちは! サラリーマン主夫のしょーちゃんです!

今回は社会の勉強方法に切り込みます。

社会が苦手な方、暗記で行き詰まっている方必見です!

基本の勉強方法

他の教科とも共通しますが、基本はワーク演習です。

1回だけではすぐに忘れてしまうので、3回、5回・・・と何度も同じものを繰り返しおこなってください。

複数回できるように、回答はワークに直接書き込まずノートなどに書きます。

記憶に定着させることが目的ですので、1回目のワークは答えを見ながらでも問題ありません。

わからないところが多すぎた部分については、一度教科書を読み返した方がいいでしょう。

とにかく回数をこなすが全教科共通するやり方ですが、社会独自の方法もありますので、以下で説明していきます。

社会=暗記は本当?

社会は暗記要素の強い教科です。

歴史の人物名や事件名、地理の国名や産業の特徴、公民の政治経済用語など、確かに知っていれば回答出来て、知らなければ回答出来ません。

ただこの点だけを捉えて社会は暗記科目と断定するのは早計です。

他教科との比較

例えば英語。

もちろん英語で答える問題が多いため、英単語を覚えないと回答すらおぼつきませんが、社会ほどは暗記科目だと認識されていない気がします。

英単語の暗記が重要なことは言うまでもなくありませんが、文法を覚え、英語で表現することや読解することに学習の焦点があるからです。

では社会学習の焦点はどこにあるでしょうか?

社会の問題が変わってきている?

社会でも英単語と同様に用語を覚えることは重要です。

実は従来は暗記さえしていれば比較的良い点数がとれる教科でした。

昔は暗記に焦点があったのです。

ところが2020年の学習指導要領の改訂により、

すべての教科で思考力や判断力を育むよう定められてから、知識の丸暗記では解けない問題が多くなってきています。

思考力・判断力を問う問題とは?

もちろん従来通りの用語を問う問題もありますが、理由を説明(記述)させたり、資料を読み取る力、想像力を働かせて解く力を問う問題も出題されます。

概してそのような問題は配点が高く、暗記だけでは高得点は期待できなくなってきています。

歴史の問題例

■大化の改新後、政府は班田収授法を定め人々に口分田を分け与えたが、743年に墾田永年私財法を定めてそれまでの土地政策を改めた。その理由を説明せよ。ただし2つの土地政策の違いに触れ、「口分田」という語句を用いること。

■室町幕府の仕組みにはどのような特色があるか。鎌倉幕府と比べて、「共通点」と「異なる点」それぞれについて説明せよ。

地理の問題例

■右図はわが国の遠洋漁業による漁獲量の変化を表したものである。1975年に比べ1980年の漁獲量が大きく減少している理由を説明せよ。

■アフリカ州では、多くの国々の経済状況が不安定である。その理由を「鉱山資源や農産物」「取引価格」の語句を使って説明せよ。

公民の問題例

■衆議院の優越が認められている理由を説明せよ。

■国民審査が最高裁判所裁判官だけを対象に実施されることになっている理由を説明せよ。

思考力・判断力対策とは?

社会=暗記だけ、という認識は改める必要があります。

学習や問題の傾向が変わったということは、英語で言うところの文法・読解・表現にあたる部分を意識して学習しないと成績は伸びないということです。

社会では「なぜそうなったのか」を意識して学習することが大事です。

また、暗記(記憶)という部分に関しても、ただ単に単語として記憶するよりも、流れや理由、その周辺情報と関連付けて覚えた方が圧倒的に記憶として定着しやすいです。

これは3年間分の知識が問われる受験対策においては特に大事な考え方となります。

歴史の「なぜそうなるか」とは

大事なのは「歴史の流れ」をつかむことです

中学では主に日本の歴史を学びますが、日本に影響を及ぼすであろう外国の歴史もわずかに学ぶのはそのためです。

歴史とは過去に起こった出来事で、それには原因があり結果があります。

また、人が関わっているからには、関わった人の数だけの意図があるはずです。

自分がその人物(天皇・将軍・町人など)だったらどのように感じ、どのように行動するか考えてみるのもよいでしょう。

■なぜ「大化の改新」が起こったのか。当時の世相や背景を知り、どういう結果につながったのかを考える

  • 自分が中大兄皇子だったらどう考えどう行動するか
  • 我が物顔の蘇我氏に対してはどうか(天皇を次々と擁立したり廃したりするほど権勢を誇っていた)
  • 「大化の改新」の前はどうだったか(世相・政治の仕組み・文化など)
  • 「大化の改新」後はどうなったか

流れを理解するには、実はマンガを読むのが効果的です。

定期テストは範囲が狭いので丸暗記でいけますが、受験を視野に入れる場合は小学校や中1中2の段階から読み親しんでおくのをおすすめします。

地理の「なぜそうなるか」とは

大事なのは「地域の特徴」をつかむことです。

歴史と同様に「なぜそうなるか」を常に考えるようにしましょう。

気候・文化・産業・地域が抱える問題など、必ず理由があり、理由のないものはありません。

地域や国が違っても、理由が同じ場合、だいたい結果は似たようなものになります。

気候が同じなら洋の東西を問わず栽培される作物は同種類のものですし、急速に進む都市化に伴う問題はどの地域も大体同じです。

工業化が進む条件はどの地域でも同じですし、石炭が取れる地域にも共通した条件があります。

宗教の分布や言語の分布もそうです。

単純な用語量を比べると、歴史とは比べ物にならない程の量を記憶しなければいけないのが地理です。

理由と関連付けて覚える、同じ理由をもつ他地域と関連付けて覚えるなど工夫をしていかないと早晩行き詰まることになってしまいます。

公民の「なぜそうなるか」とは

用語の丸暗記だけでも定期テストで5~60点は取れると思いますが、大事なのは「社会のしくみ」を知ることです。

「なぜそのような仕組みになっているのか」と考えるのが大事です。

公民で学ぶ内容は世界史の第一次世界大戦以降、日本史の第二次世界大戦以降の「政治や社会の変遷」です。

つまり、今の「社会のしくみ」を、それが出来上がる過程と共に学びます。

流れに注目して覚えた歴史の勉強法とは大差がありません。

昔の歴史か、今(とその直前の歴史)かの違いだけです。

「なぜそのような仕組みになっているのか」の理由を、その変遷とともに理解しておきましょう。

基本の勉強はワークを何回もこなすことですが、問題にたいして「なぜ?」の視点を持って答えられるようにしておくとよいです。

例えば、「四大公害をすべて回答せよ」の問いがあった場合、これは用語を丸暗記するだけですので簡単に回答できたとして、「四大公害はなぜおこったのか?」「水俣病、四日市ぜんそく、新潟水俣病、イタイイタイ病はそれぞれどういう経緯でおこったのか?」と読み替えて回答できるかということです。

公民はむずかしい用語が多く、苦手意識を持ってしまう子供も少なくないのですが、歴史・地理・公民の中でもっとも使える知識です。(生活に密着していて一番役に立ちます)

むずかしい用語もある程度噛み砕いてわかりやすく理解するなど工夫することで覚えやすくなるかもしれません。

お試しください。

  • 「公共の福祉」⇒「社会全体の共通の利益」⇒「みんなの幸せ」
  • 「被選挙権」⇒「被(〇〇されるという意味)」⇒選挙される権利⇒選挙に「立候補する権利」(ちなみに「選挙権」は投票する権利。混同しがちなので注意)
しょーちゃん

「なぜそうなるか」の視点は非常に大事です。

その視点をもって普段の授業に臨むかどうかだけで学習の質が変わってきます。

社会を得意科目にするコツです!