どんなチャーハンにするのか、まず具体的なイメージを持ちましょう
チャーハンと言えば中華の定番料理の一つであり、また家庭でもよく作られる中華料理です。
そしてよく作られる割に意外とむずかしいのがチャーハンです。
家庭で作ると、なかなかお店のようにはいかないですよね!
今回は出来るだけお店の味に近づけるテクニックをちょっとだけご紹介しますね。
もくじ
どんなチャーハンをつくりたいですか?
チャーハンは漢字で炒飯と書き、要はご飯を炒めれば全部チャーハンです。
では、どんなチャーハンを作りたいか。
実はそこが決まらないと、調理手順や方法が決まりません。
ただ美味しいチャーハンのコツが書いてあるサイトを闇雲に読み漁り、そのレシピ通りにしても美味しく作れない場合があります。
どのサイトを見ても省略されて書かれていないコツがたくさんありますからね・・・
本人は料理人だったり、料理上手だったりするので、当たり前のことは書いてありません。
紙面の都合で省略されていることもありますね。
僕はそういう記事を「素人はそれが知りたいのにー!」とか思いながら読んでいます。
完成形のイメージを具体的に持ちましょう
今まで複数のお店で食べたことがあるはずですので、思い出してみてください。
チャーハンってお店ごとに特徴があったはずです。
とにかくパラパラで香ばしい香りのあるチャーハンなのか、意外としっとりとしていて旨味のあるチャーハンなのか、またはゴロゴロとした具材の大きなチャーハンなのか。
ご家庭で「どんなチャーハンを目指すのか」をしっかり決めて、それにあった手順で一度作ってみてください。
何度か作っていればレシピを見なくても作れるようになり、得意料理といっても恥ずかしくないものの一つになると思います。
パラパラ?パサパサ?
美味しいチャーハンと言えばパラパラのお米。
でもちょっと待って。
美味しいパラパラっていうのはどんな状態?
結論から言うと、お米同士がうすい油と旨味の膜をまとってくっつかず、またお米本来の水分を損なわず旨味を保った状態、です。
チャーハンはお米料理ですからね、お米が美味しくないと!
よく混同されるのがパサパサ。
最初から水分を失った米でつくられたり、長時間の炒めにより必要な水分まで飛んでしまった状態のことをいいます。
家庭でよくある失敗の例が、冷凍のお米を使ってその処理に失敗してしまい、結果パサパサになるというものです。
冷凍のお米自体は悪いわけではないですが、美味しく作るのって以外と難しいです。
チャーハン 各具材の特徴とコツ
お米
チャーハンはお米の料理ですので、実はここが一番重要なポイント。
プロの料理人が紹介する「家庭で美味しいチャーハンをつくる方法」でも、温かいご飯を使う、冷やご飯を使う、冷凍ご飯を使う、生卵と混ぜてから使うなど色々な方法を紹介しています。
どーすればええねん!
素人目線でサイトを読み漁ると、それぞれ矛盾する作り方が書いてあり混乱する人もいるかもしれません。
これはどんなチャーハンを作りたいかの具体的なイメージを持って、それに合うものを選べばOKです。
違ったものを選ぶと思った通りのチャーハンに仕上がりません・・・
一般的にはパラパラにしやすいのは、冷凍ご飯≧冷やご飯>温かいご飯で、これはお米表面の水分量が理由です。
一方でお米内部にしっかりと水分が保持され美味しさを味わいやすいのは、温かいご飯>冷やご飯>冷凍ご飯です。
炊きあがりの瞬間から時間経過によって水分は失われていくからです。
プロはチャーハン用のご飯を別で炊くこともありますので、最もこだわる部分はここです!
温かいご飯
個人的には一番のおすすめで、うまく作るとパラパラかつしっとりに仕上がります。
しかし家庭によってご飯の炊き加減が違う(柔らかめだったり、固めだったり)ので、少しだけ注意が必要。
どちらかと言うとチャーハンに合うのはやや固めに炊かれたご飯ですので、柔らかめに炊かれるご家庭の場合は冷やご飯を使った方が美味しく仕上がると思います。
また、炊きあがってからの時間経過によってもお米の水分量が違いますので、書かれているレシピだけでなく、「お米の状態を見る」ことを忘れないでください。
チャーハンに限ることではないですが、料理は「食材の状態を見る」ことが非常に大事です。
冷やご飯
冷めて常温~冷蔵の温度になったご飯です。
程よく水分が飛んでいるのでパラパラになりやすいですが、ご飯をやや固めに炊かれるご家庭では水分が飛びすぎてしまいパサパサ感が出てしまうことも。
その場合は温かいご飯の方がおすすめです。
冷めてしまったり冷えてしまったご飯をそのままフライパンに投入するとほぐすのに時間がかかってしまうため、ラップをして軽くレンジをしてから使いましょう。
熱々にする必要はなく、ご飯がほぐれやすい程度にほんのり温めてください。
水洗いをする手法を紹介している記事もありますが、キッチンペーパーで水気を吸わせたり、しばらく乾かしたりするなど、必ずしっかりと水気を切ってから使ってください。
べちゃべちゃのチャーハンになってしまいます・・・(家庭でよくある失敗)
冷凍ご飯
冷凍ご飯のメリットはパラパラにしやすいことです。
逆にデメリットは扱いがむずかしいこと。
一口に冷凍ご飯といってもその状態は千差万別。
炊き立てをラッピングし蒸気とともに閉じ込めた状態のいいものもあれば、炊飯ジャーで長時間保存され食べきれなくなったものを冷凍したものもあります。
また長期の冷凍によって水分が失われている場合もあります(冷凍焼け)。
お米の内部に水分が足りない状態のものは、美味しいチャーハンになりづらいのでお粥やリゾットにした方が美味しくおすすめです。
比較的水分を保っている場合(炊き立て冷凍・冷凍期間短め)は、ほんのり温まるくらいまでレンジしてからフライパンに投入することで美味しく仕上がります。
こちらも冷やご飯と同様に水洗いしても大丈夫です(水気はしっかりととる)。
卵
チャーハンに卵は欠かせません。
味以外にもご飯をパラパラにするためにとても重要な役割をはたすからです。
溶き卵の中にご飯を入れて混ぜてから焼く方法
卵でご飯がコーティングされパラパラに仕上がるという有名な方法です。
火力が弱めのコンロで行う場合は一番失敗が少ない方法でしょう。
デメリットは卵が具材としてではなく全体の味になってしまうこと。
失敗すると「焼き卵かけご飯」になってしまいます 笑
卵は味の主張が強い食材なので、仕上がりイメージによって調理法を選びましょう。
フライパンで卵に火を通してから、ご飯を投入する方法
最も基本的な作り方となります。
やや多めの油を熱し、卵を投入、卵が半熟のタイミングでご飯を入れて混ぜるという方法です。
半熟の卵が程よくご飯と絡み合う状態が理想で、卵が具材としても活きますのでおすすめの方法です。
火力にもよりますが、慣れない場合はいったん卵を取り出してから、ご飯を炒め、再度卵を戻す方が失敗は少ないです。
油
見落としがちですが、油もチャーハンの味を決める重要な要素です。
一般家庭にあるサラダ油やキャノーラ油でももちろん美味しくつくれますが、他にも特徴的な油があります。
ラード
豚の脂のことです。
ラーメンでおなじみですが、独特のコク・旨味があります。
チャーハンに使用することでワンランク上の味に仕上がりますので、僕はよく使います。
ラードはスーパーなどで専用のものを買ってきてもよいですし、角煮を作った際に浮いてきたものを取っておいて使うのもよいです。
角煮などからとったラードは傷みやすいので注意です(他のものも混じっているため)。
僕は次の日に使ったりして、それ以降のものは使いません。
角煮の煮汁を少し加えるなどのアレンジチャーハンを作る時もあります。
米油
コクと甘味があります。
そもそもお米からとった油ですので、ご飯との相性が悪いはずはありません。
使い方は他の油と同様で大丈夫です。
変わった使い方としては、チャーハン用のご飯を炊くときコメ油を少し入れて炊いているお店もありました。
肉類
チャーハンの具材と聞いてほとんどの人が最初に思い浮かべるのが肉類だと思います。
基本的には好きな肉を入れて構わないと思います。
比較的味の濃い加工肉系やチャーシューは小さ目の角切り、生から火を通していく肉系は大き目にカットし存在感を出した方が美味しいです。
加工肉系やチャーシューも大き目に切って具沢山を演出するのもありですが、その場合はご飯への味付けを少し薄めにした方がよいでしょう。
ハム・ベーコン・ウインナー・チャーシューなど
スーパーに売っている一般的なスライスハムの場合は、細かく切って使用します。
ベーコンやウインナー、チャーシューも同様に細かく切ります。
細かく切った方がご飯とよく混ざり合い、味も均一になります。
入れるタイミングはご飯を入れるのと同時でよいでしょう。
元々火が通っているので、ご飯と同時に加熱できればよいです。
ブロックのものを大き目に切る場合は、常温に戻っていればご飯と同時のタイミングで、
冷蔵庫から出した直後など少し冷えている場合は先に軽く炒めておくといいでしょう。
豚バラ、ミンチ
共に脂の旨味が美味しい部位となります。
豚バラは少し厚めに切るとジューシーさが増し、見た目にもインパクトのあるチャーハンができます。
肉を炒める際に脂が多めにでますので、余分なものはキッチンペーパーで吸い取るなど工夫しましょう。
味が付いていないため、先に肉だけを炒めて、しっかりと塩(もしくは塩コショウ)で味をつけて一旦取り出しておきます。
再び加えるタイミングはご飯と同時でよいでしょう。
魚介類
チャーハンによく使われる魚介類はエビですが、その他イカやタコ、貝類などもよく合います。
火を通しすぎると固くなりますので、軽くボイルしたものを小さ目に切り準備しておき、味付けと同じくらいのタイミングで入れ軽く混ぜあわせるくらいでちょうどよいです。
野菜・きのこ類
炒めに適している野菜であれば、どの野菜を入れて問題はありません。
冷蔵庫の中であまっている野菜を積極的に入れていきましょう。
これぞ家庭のチャーハンだと思います。
野菜は基本的には細かく切ります。
比較的火が通りづらいものはあらかじめ軽く炒めて準備しておきます(ニンジンなど)。
火が通りやすいものはご飯同時に入れると良いでしょう。
よくあるレタスチャーハンについては、余熱でもすぐ火が通ってしまうため、チャーハン完成後に火を止め、大きめにちぎったレタスを加えてさっと和えるだけで大丈夫です。
調味料
チャーハンはご飯・卵・油・具材がしっかりしていれば、塩コショウだけでも十分美味しく仕上がります。
実は、亡くなった田舎の祖母がよく作ってくれたものが僕の中ではいまだにナンバーワンのチャーハンなのですが、それは畑でとれたての野菜に山からとってきた椎茸を刻んで、塩コショウで味付けしただけのものでした。
味付け
素材の味を殺さない程度に、最初にイメージした通りの味付けで大丈夫です。
チャーハンの素を使っても大丈夫ですし、中華だしの素、塩コショウ、醤油、チャーシューの煮汁の残りなどお好みで味付けてください。
香り付け
味付けは料理の途中ですが、香り付けは基本的には料理終盤です(例外はあり)。
なぜなら加熱により香りが飛んでしまうことがあるからです。
醤油
和風のチャーハンにしたときなど、醤油の香りそのものをつけたい場合は仕上げにご飯に少量垂らして火を止め軽くまぜ合わせます。
醤油の焼けたような香ばしい香りをつけたい場合には、ご飯を少し端によせ、フライパンの空いたところに醤油を垂らし少しだけ焼いた後(数秒)ご飯と混ぜ合わせます。
チャーハン 調理法
調理法での注意点は鍋をあおらないということです。
見た目がかっこよくて料理が出来そうに見えますよね。
でも家庭のチャーハンでは完全なNG行為です 笑
ご飯はフライパンに接している部分でのみ加熱されます。
宙を舞っているのはかっこいいですが、あれ、せっかく熱々にしたご飯を冷ます行為です。
熱くしたいのか冷ましたいのか、完全に矛盾しちゃってますね 笑
中華料理店の高火力でつくった感を演出する裏技
中華料理店で鍋をあおるのは、そうしないと焦げてしまうからなんです。
火力が家庭の約10倍ありますからね!
高火力で炒めると、ご飯全体にほんのりと香ばしいような香りが付きます。
家庭では真似できないですが、少しでも再現するためにわざと焦がすことがあります。
よく使うのは醤油です。
下の写真のようになったら手早く混ぜ合わせ全体に香ばしい香りをつけます。
あまり量が多かったり、焼きすぎると「ただのコゲ」になってしまうのでバランスがむずかしいですが、何度がやるうちにコツがつかめてくると思います。
慣れないうちは少量でやってみてください。
ここまで火を通すと醤油の味も香りも飛んでしまい香ばしさだけになりますので、醤油味以外のチャーハンにも使えます。
ちなみに写真のチャーハンの味付けは塩です。
チャーハンは奥が深く、具材や味付けを変えることで何通りものチャーハンが作れます。
ぜひ試してみてください!
こんにちは! サラリーマン主夫のしょーちゃんです!